村の南部、中井侍地区にある三十三所観音は、「せば石」と言って沢の両側に大きな岩がせりだし、その一面の岩を削った棚に仏像が整然と並ぶ。像の左に「宝暦七丁丑年(1757年)五月吉日願主太良右エ門」とあり、この右岩壁には明治三十八年(1905年)七月十日に沢水が氾濫し二十六体が流失し、大正二年九月に有志の篤志によって再建されたと記載されている。
明治時代の中井侍の太郎右衛門という人が、何かあって目がつぶれたが、せば石の大岩が一つ倒れると不思議なことに目が開いたという伝承がある。春秋の彼岸には、この前庭で百万遍の数珠回しが行われる。
天龍村教育委員会
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